新たな出発。それぞれの道に向かって。

 3月8日に第1回後期課程卒業式・前期課程修了式を実施しました。午前中はあいにくの雨でしたが,式の直前にはいつの間にかすっかり晴れ,式場には陽が差し込み,修了生及び卒業生をお祝いしてくれているようでした。ご参列いただきました来賓,地域のみなさま,本当にありがとうございました。式中の後期課程卒業生のお礼のことばを掲載させていただきます。

            お礼の言葉

 体育館の窓に差し込む光にも暖かい春の訪れを感じます。天候悪く,スライド便からの抜港。奄美を経由して荒波を越えて早朝,暗闇の大雨の中到着し,ここ小宝島での生活が始まりました。あれから2年の月日が経ち,あの時とは異なるさわやかな春風が私たちの心を吹き抜ける中,私たちは島立ちを迎えます。これまでの日々を思い起こせば,すべての瞬間を色鮮やかに頭に思い浮かべることができます。

 13歳。小宝島での生活に期待と不安でいっぱいの中,照れくさく,また新しい生活に緊張していた日々。職場体験学習では働くことの尊さを学び,学校生活でも小宝島小・中学校の伝統の重みを感じながら様々な行事を楽しむことが できました。

 14歳。小宝島学園がスタートし,最高学年としての責任感,みんなを引っ張っていきたいという気持ちから児童生徒会長へ立候補しました。あっという間に流れていく時間の中,ここ小宝島での思い出一つ一つを大切にしたいと感じるようになりました。ここ小宝島で得たものは私にとってかけがえのない大切な宝物です。

 そして苦しかった時,迷った時,背中をそっと押してくれたり,静かに寄り添ったりして支えてくれた仲間たち。みんなでともに笑い,時にはケンカもしましたが,それらの日々があったからこそ熱い友情と強い信頼を築くことができました。ありがとう。

 私たちをいつも見守ってくださった先生方。たくさんしかられましたが,厳しさの中に,私への優しさと愛情があふれ,それらをいっぱい注いでくださったことが今ならよくわかります。心から感謝しています。ありがとうございました。

 またいつも優しく声をかけてくださる地域の皆さま。ここ小宝島の大きな魅力の一つは,地域の皆さんとの交流だと思います。小宝島のみなさんは,私たちを温かく迎え入れ,常に優しく見守ってくださいました。みなさんのおかげで,私も島の一員として楽しく生活することができました。地域のみなさんの温かさと,その支えがあったからこそ,私は楽しく,充実した小宝島の生活を過ごすことができました。ありがとうございました。

 寮監さん,寮母さん。私が寮生活を通じて学んだことは,私の成長に欠かせないものばかりでした。特に寮では協力することの大切さを学びました。

 毎日一緒に過ごした寮監さんや寮母さんとは,家族のような絆を感じています。進路選択の際には一緒に悩んだり,アドバイスをしていただいたり,面接練習もしていただきました。時には厳しく,時には優しくたくさんの言葉を,そしてたくさんの愛情を与えていただきました。今や私の興味関心の大部分を占めている釣りの楽しさを教えてくださったのも寮監さんです。みんなで過ごした釣りの時間,この時間が私にとって,ここ小宝島での一番大好きな時間でした。楽しい,楽しい思い出をありがとうございました。

 最後に,お父さん,お母さん,そしておじいちゃん。遠く離れていてもいつも私たち兄弟をサポートしてくれてありがとうございます。お兄ちゃんが十島村の山海留学を勧めてくれ,お父さんとお母さんが後押ししてくれたおかげで,小宝島に来ることができました。そして毎年,運動会にはおじいちゃんが来て参加してくれました。恥ずかしさから素直に自分の気持ちを表すことがなかなかできませんでしたが,いつも家族のみんなには感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。私の望むことをいつも応援してくださるみんなのおかげで,今この舞台に立つことができています。高校生活も目標を持って頑張りますので,これからも応援よろしくお願いします。

 卒業を迎えるにあたり,私を支えてくださったすべての方々に,心から感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。ここ小宝島を離れ,新しい道へと歩みますが,ここで得たものを胸に,どんな困難も乗り越え,前に進んでいきます。

 ここ小宝島での思い出は,私の一生の宝物です。また大人になって小宝島にGTを釣りに来ます。再びお会いできる日までどうぞお元気で。本当にありがとうございました。             

                        令和7年 3月8日 卒業生

              お礼の言葉

 厳しい冬の寒さも和らぎ,島のあちらこちらに咲いているハイビスカスが小宝島を華やかに彩っています。

 本日は私たちのために,来賓のみなさま,地域の皆さま,保護者の皆さま,先生方,在校生のご出席のもと,このような卒業式を挙行していただき,心よりお礼申し上げます。

 3年前の宝島小・中学校入学式の時,私は,悪石島から宝島に移り,これから3年間うまくやっていけるか不安でいっぱいでした。そして,後期課程9年生の9月,ここ小宝島学園に転校してきました。宝島小・中学校の時と同様に,2学期に転入ということで,寂しさや不安がありました。しかし,宝島に行った時も小宝島へ来た時も,児童生徒の皆さんや先生方,島民の方々がたくさん話しかけてくださり,様々なことを教えてくださったので早く生活に馴染むことができました。本当にありがとうございました。ここ小宝島学園に登校するのも今日が最後となりました。今日が最後の登校だと考えると,歩き慣れた通学路もすっかり小さくなった標準服も,少し寂しく,感慨深くなります。

 改めて振り返ってみると,この三年間,宝島と小宝島での思い出が次々に浮かんできます。

 7年生では,初めて経験することがたくさんあり,何をするにしてもとても緊張する日々でした。特に体育祭や文化祭は,宝島の大きな行事で,中学生として小学生をまとめたり,先輩方のサポートをしたりしながら,しっかりと運営することができるかとても緊張したことを覚えています。

 8年生では,島内の職場体験学習や,島外職場体験学習が心に残っています。その時点ではまだ,進路のことなどをあまり考えていませんでしたが,事業者の方のお話をお聞きし,自分自身の将来について,考える機会になりました。

 そして,9年生。今までと比べ進路の話をすることが多くなり,私もどうするかを真剣に考えることが多くなりました。最初は,あまり進路のことが決まっていない状態で小宝島へ転校することに不安でいっぱいでした。しかし,先生方のご指導のもと,希望進路を見つけ,その目標に向かって自分なりに努力した結果,4月から念願の高校に行くことができます。

 私はここ十島村で数えきれないほどたくさんのことを経験し,思い出をつくることができました。このようにたくさんの思い出ができたのも私を支えてくださったみなさんのおかげです。本当にありがとうございました。

 在校生の皆さん。今まで,行事や委員会などで,うまくまとめられなかったこともありましたが,皆さんがサポートしてくれたおかげで,スムーズに進めることができました。ありがとうございました。心から感謝しています。また,進路決定の時期には,皆さんからの温かいメッセージや応援が背中を後押ししてくれました。不安を感じる辛い期間でしたが,その不安を消し飛ばすことができるくらいみんなの応援に助けられた三学期でした。在校生のみなさんにはこれからもたくさん行事などがあり,大変なこともあると思いますが,みんなで協力し合いながら,ここ小宝島学園を,そして小宝島を盛りあげてほしいです。これからの学校生活がより良いものになることを祈り,私たちの母校,小宝島学園の伝統というバトンを渡します。一緒に思い出をつくってくれてありがとうございました。

 そして,お母さん。たくさん心配をかけました。しかし,どんな時も優しく,時には静かに見守ってくれました。どうしようもない苛立ちや不安で過ごした日々もありました。そのような日々の中で,いつもお母さんは私の一番の理解者で,一番応援してくれる人でした。これからお母さんのもとを離れ,遠く静岡の地で新たな生活をはじめます。人一倍緊張し,不安を感じやすい私ですが,将来グローバルな世界で働きたいという夢を叶えるために,これから新たな一歩を踏み出します。まだまだお母さんのサポートが必要です。身体に気をつけて,ここ小宝島から応援してください。これからもよろしくお願いします。

 最後になりましたが,これまで私たちを支えてくださった全ての方々に感謝を申し上げるとともに,小宝島学園の益々の発展を心から祈念し,お礼の言葉といたします。

                          令和7年3月8日 卒業生

    

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この記事について

このページは、小宝島学園が2025年3月14日 13:55に書いた記事です。

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