平島では旧暦12月14日の晩,ビロウの葉をまとい,笠をかぶって,サワラ餌木と竿を持った福徳神(フットコジン)が福をもたらすために,奥山(神山)から集落へ降りてきます。そして,全戸を次々に訪問して,土足のまま家に上がり,家族にヘグロ(灰黒)を塗って引き上げます。また,昔から稲作が盛んだった地域であるため,五穀豊穣を願い,道を歩く福徳神には子どもたちが水をかけます。
今年の旧暦12月14日は1月5日の晩でした。この日の夜は,福徳神に追いかけられて泣き叫ぶ小さな子どもたちや水をかけながら元気よく走り回る子どもたち,そしてそれを見守る大人達の温かな笑顔が溢れる素敵な夜となりました。きっと今年も平島にたくさんの福が訪れることでしょう。